第40回:【相続で多いトラブル】専門家に相談して、ストレス軽減、早い解決を【弁護士、司法書士、行政書士、税理士】

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遺産相続の専門家には、弁護士、司法書士、行政書士、税理士などがいる

「うちにはもめるほどの財産はないし」と、相続問題は対岸の火事のように考えている人が多いのではないでしょうか。しかし、相続問題の多くは財産の多寡が原因ではありません。各家庭の状況によってさまざまな相続問題が発生します。また、相続人の数が増えればそれだけ相続争いの発生確率は高くなります。

遺産相続は、いわば不労所得です。つまり、働かずしてお金や土地を得ることができます。そこに人間の欲がぶつかり合うのは当然といえば当然といえます。こうしたトラブルが発生する原因の1つには相続に関する知識不足もあるでしょう。相続争いが長引けば、家庭裁判所に申し立てをして調停による解決策も講じなければなりません。この手間はかなりのもので、当事者には想像以上のストレスと労力がかかります。

困ったら遺産相続の専門家に相談しよう

そこで、実務的、精神的な負担を減らすためにも専門家に相談することをお勧めします。遺産相続の専門家には、弁護士、司法書士、行政書士、税理士がいます。

「弁護士」の役割

弁護士に依頼するケースで多いのは、相続人の間で遺産分割を巡ってもめたりしている場合です。弁護士は、法律的な観点からの相続人の利害調整を得意としています。遺言執行などの代理人業務にも対応できます。最近では親が認知症のケースのサポートも増えています。

「司法書士」の役割

司法書士は裁判所や法務局などに提出する書類作成や手続きを代行する専門家です。140万円以下の簡易な事案なら弁護士に代わって法律代理業務もできます。相続調査や遺産分割協議書の作成、相続登記などで相談するとよいでしょう。

「行政書士」の役割

行政書士は、役所など公的機関に提出する書類の作成や手続きを代行してくれます。相続問題では遺言書の作成、遺産分割協議書の作成などが代表的な業務となり、相続調査や預金・株式の名義変更手続きなども代行してくれます。

「税理士」の役割

税理士は税金に関しての専門家で、多額の遺産を相続する場合やこれから相続する可能性がある場合には相談しましょう。相続する財産の価値を調べたり、相続人に有利になるような遺産配分の方法、相続税の納付方法などをアドバイスしてくれます。また、生前贈与の方法を税理士に相談するケースも増えています。

専門家を利用すると、費用はかかりますが、問題が早く解決し、当事者のストレスも軽減されます。依頼する場合は、その専門家と信頼関係が築けることが重要です。お互いにコミュニケーションがうまく取れる人を選びたいものです。

>>第41回:相続税が課されるとき【富の再分配・死因贈与・非課税財産・みなし相続財産】

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