ここが大切!
- 亡くなったら、医師が死亡診断書を交付する。
- 死亡診断書と死亡届はセット。
- 死亡後7日以内に役場に提出する。
自己負担が高額な場合に利用したい制度
高額療養費制度とは、国民健康保険、健康保険、後期高齡者医療制度の加入者が病院や薬局の窓口で支払った1か月(1日から月末まで)の医療費(自己負担額)が高額になった場合、一定の金額を超えた部分が払い戻される制度です。ただし、健康保険が使えない治療や投薬を受けた場合や差額ベッド代、入院中の食事代等は対象外となります。
簡単に言えば、例えば、70歳以上の人は、入院時で4万4400円、外来で1万2000円(同一月内)を超えて医療費を払う必要がない制度です。一方、70歲未満の人の自己負担限度額は収入によって5つに区分されています
高額医療費の自己負担限度額
70歳未満の場合
所得区分 | 自己負担限度額 |
---|---|
①月額83万円以上 | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% |
②月額53万~79万円以上 | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% |
③月額28万~50万円以上 | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% |
④月額26万円以下 | 57,600円 |
⑤市区町村民税の非課税者または生活保護者 | 35,400円 |
70歳以上の場合
被保険者の所得区分 | 自己負担限度額 | ||
---|---|---|---|
外来(個人ごと) | 外来+入院(世帯合計) | ||
①現役並み所得者(月額28万円以上の人) | 44,400円 | 80,100円+(医療費ー26,7000円)×1% | |
②一般所得者(①および③以外の人) | 12,000円 | 44,400円 | |
③低所得者 | Ⅱ(Ⅰ以外の人) | 8,000円 | 24,600円 |
Ⅰ(※) | 15,000円 |
同一世帯で複数の方が同じ月に医療機関を受診した場合は自己負担額は世帯で合算できますが、70~75歳未満の方と75歳以上の方とは合算できないので注意しましょう。
(※)世帯の全員が市区町村税非課税で、その世帯の各所得が必要経費を差し引いたとき0円となる被保険者(年金の場合は年金収入が80万円以下)。
相続人が受給する高額療養費は故人の財産に
高額療養費は本来は本人が申請し、本人が受給するものですが、その本人が亡くなった場合は相続人が申請し、相続人が受け取ることになります。つまり、相続人が代理人として申請し受給するため、それは亡くなった方の財産の一部と考えられ、相続税の課税対象となります
高額療養費申請のお知らせが届いたら申請を
申請の手続きは、①医療費を支払ったあとに手続きをする場合と、②支払う前に手続きをする場合の2通りがあります。①の場合は、一時的に医療費の自己負担分3割(70歲未満の場合)を支払い、事後に高額療養費が払い戻されます。本人が亡くなり遺族が申請する場合は①に該当します。②の場合は、自己負担限度額分の支払いですませることができます。いずれも自己負担額は同じになります。
身近な方が亡くなったあとで、故人が自己負担した医療費が高額だった場合は、遺族(相続人)が高額療養費を申請し、受け取ります。
通常、同じ月内の医療費の一部負担金が限度額を超えた場合は、受診した月から約3か月後に、その対象となる世帯の世帯主宛に高額療養費の申請のお知らせが自治体から届きます。その封書を発見したら、申請するようにします。診療を受けた月から5か月以上経っても申請のお知らせが届かない場合は、故人の居住の市区町村役場などの保険者に問い合わせてみましょう。
申請できるのは、世帯主、世帯主が死亡した場合は相続人(配偶者や子どもなど)、あるいは世帯主と住民票上同一の世帯の人となっています。相続人の場合は申請の際に死亡者との関係を証明できる戸籍の写しが必要となります。
申請の手続き方法(申請書の様式など)は、加入している保険者によって異なるため、保険証に記載されている保険者に問い合わせましょう。国民健康保険や後期高齡者医療制度の場合も、市区町村により申請書の様式などが異なるので、市区町村役場の担当窓口で確認しましょう
申請期限は、医療サービスを受けた翌月1日から2年以内です。それを過ぎると申請ができなくなるので注意します。
高額医療費申請の手続き
申請者 | 遺族 |
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提出先 | 国民健康保険の場合は故人の住所地の市区町村役場、会社員の場合は健康保険組合または協会けんぽ |
必要なもの |
|
期限 | 医療サービスを受けた翌月1日から2年以内 |
払い戻し額の計算方法
高額療養費の計算方法は、健康保険加入者の年齡や所得によって異なります。まず、年齡で70歳未満と70歳以上とに分けられます。
ただし、75歳以上(一定の障害があると認められた65~74歳の人も含む)の方は国民健康保険や健康保険組合から脱退して後期高齢者医療制度に移行しているため、70歲以上75歲未満の方と合算することはできません。例えば、71歳の妻と76歳の夫の合算はできません。75歲以上同士のみで合算が可能となります。