<<第11回:【速やかに】故人の個人事業の廃業・承継の手続き
ここが大切!
- 復氏届は死亡届提出後ならいつでも可。
- 子は復氏届では旧姓に戻れない。子の氏の変更許可申立書が必要。
配偶者が亡くなったら旧姓に戻せる
夫婦のどちらか一方が亡くなったとき、遺された配偶者が旧姓に戻したいと考える人もいるでしょう。このように、婚姻前の氏(姓)に戻すことを法律ては「復氏(ふくし)」といいます。このとき、家庭裁判所の許可や、死亡した配偶者の親族に同意を得る必要はありません。
つまり、配偶者が死亡したときに、婚姻中の姓のままでいるか、あるいは旧姓に戻るかは、本人の意思で自由に決めることができます。
ただし、旧姓に戻ったとしても、亡くなった配偶者との親族関係はそのままで、義理の親子関係や扶養の義務、姻族としての権利は継続します。
旧姓に戻したい場合は、本籍地あるいは住所地の市区町村役場に復氏届を提出します。死亡届が受理されれば、いつでも提出することができます。復氏届を提出すると、亡くなった配偶者の戸籍から抜け、結婚前の戸籍に戻ることになります。
事情があって結婚前の戸籍に戻りたくない場合は、分籍届を提出して、自分が筆頭者となって新しい戸籍をつくることもできます。
復氏届の提出期限は原則としてありませんが、亡くなった配偶者が外国人であった場合の復氏届は、亡くなった日の翌日から3か月以内に行わなければなりません。この期限を過ぎてしまうと、新たに家庭裁判所の許可が必要となります。
子どもも自分と同じ旧姓に戻したいとき
亡くなった配偶者との間に子どもがいる場合は、復氏届で旧姓に戻るのはあくまで本人だけで、子どもの姓や戸籍はそのままになります。つまり、自分と子どもの戸籍が別々になってしまいます。
そのため、子どもの姓も自分と同じに変更し(旧姓にして)、自分と同じ戸籍に入れる場合は、まず家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立書」を提出しなければなりません。そして、許可審判を受けたあとに入籍届を提出すれば、子どもを自分の戸籍に移すことができ、同じ姓を名乗ることができます。
なお、この場合も子どもと元配偶者の親族との姻族関係は継続しており、元配偶者の両親(子どもの祖父母)が死亡した場合は、子どもはその法定相続人となります。また、代襲相続人(だいしゅうそうぞくにん)となることもあります。
子の氏の変更許可申立書の手続き
申請書 | 子ども本人(15歳未満の場合は子の法定代理人) |
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提出先 | 子どもの住所地の家庭裁判所 |
必要なもの |
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期限 | なし。必要に応じて |
復氏届の手続き
申請書 | 故人の配偶者本人 |
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提出先 | 本人の本籍地または住所地の市区町村役場 |
必要なもの |
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期限 | なし。必要に応じて |