第12回:【必要に応じて】婚姻前の性に戻したいとき【復氏届・子の氏の変更許可申立書】

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ここが大切!

  • 復氏届は死亡届提出後ならいつでも可。
  • 子は復氏届では旧姓に戻れない。子の氏の変更許可申立書が必要。
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配偶者が亡くなったら旧姓に戻せる

夫婦のどちらか一方が亡くなったとき、遺された配偶者が旧姓に戻したいと考える人もいるでしょう。このように、婚姻前の氏(姓)に戻すことを法律ては「復氏(ふくし)」といいます。このとき、家庭裁判所の許可や、死亡した配偶者の親族に同意を得る必要はありません。

つまり、配偶者が死亡したときに、婚姻中の姓のままでいるか、あるいは旧姓に戻るかは、本人の意思で自由に決めることができます。

ただし、旧姓に戻ったとしても、亡くなった配偶者との親族関係はそのままで、義理の親子関係や扶養の義務、姻族としての権利は継続します。

旧姓に戻したい場合は、本籍地あるいは住所地の市区町村役場に復氏届を提出します。死亡届が受理されれば、いつでも提出することができます。復氏届を提出すると、亡くなった配偶者の戸籍から抜け、結婚前の戸籍に戻ることになります。

事情があって結婚前の戸籍に戻りたくない場合は、分籍届を提出して、自分が筆頭者となって新しい戸籍をつくることもできます。

復氏届の提出期限は原則としてありませんが、亡くなった配偶者が外国人であった場合の復氏届は、亡くなった日の翌日から3か月以内に行わなければなりません。この期限を過ぎてしまうと、新たに家庭裁判所の許可が必要となります。

子どもも自分と同じ旧姓に戻したいとき

亡くなった配偶者との間に子どもがいる場合は、復氏届で旧姓に戻るのはあくまで本人だけで、子どもの姓や戸籍はそのままになります。つまり、自分と子どもの戸籍が別々になってしまいます。

そのため、子どもの姓も自分と同じに変更し(旧姓にして)、自分と同じ戸籍に入れる場合は、まず家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立書」を提出しなければなりません。そして、許可審判を受けたあとに入籍届を提出すれば、子どもを自分の戸籍に移すことができ、同じ姓を名乗ることができます。

なお、この場合も子どもと元配偶者の親族との姻族関係は継続しており、元配偶者の両親(子どもの祖父母)が死亡した場合は、子どもはその法定相続人となります。また、代襲相続人(だいしゅうそうぞくにん)となることもあります。

子の氏の変更許可申立書の手続き

申請書子ども本人(15歳未満の場合は子の法定代理人)
提出先子どもの住所地の家庭裁判所
必要なもの
  1. 子の氏の変更許可申立書
  2. 申立人(子)の戸籍謄本、父・母の戸籍謄本
  3. 収入印紙800円など
期限なし。必要に応じて

復氏届の手続き

申請書故人の配偶者本人
提出先本人の本籍地または住所地の市区町村役場
必要なもの
  1. 復氏届
  2. 戸籍謄本(本籍地に届け出るときは不要)、結婚前の戸籍に戻るときは婚姻前の戸籍謄本
  3. 印鑑
期限なし。必要に応じて

復氏届 見本 記入例

>>第13回:【必要に応じて】婚姻関係を終了したいとき【姻族関係終了届】

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