第32回:【10ヵ月以内】遺産分割協議の進め方【指定分割・協議分割・調停分割・審判分割・不在者財産管理人・特別代理人・遺産分割協議書】

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ここが大切!

  • 遺産分割協議は相続人全員の参加が必要。
  • 行方不明者、未成年者、認知症などの相続人には代理人を選任する。
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遺産分割の形態には4通りある

法定相続分とは異なった割合で遺産を分割するケースには、①遺言による分割(指定分割)、②協議による分割(協議分割)、③家庭裁判所の調停による分割(調停分割)、④家庭裁判所の審判による分割(審判分割)が考えられます。①か②の方法で決まらない場合は③が行われますが、この場合も最終的には相続人が決めることになります。それでも決まらない場合は④の審判が行われ、最終的に家事審判官が決定を下すことになります。

遺産分割協議の参加者と代理人

相続人が復数いる場合には、遺産の分割が必要です。しかし、遺言がなかったり、あっても相続分の指定しかないような場合には、具体的な財産の分け方を話し合いによって決めることになります。これが遺産分割協議です。

遺産分割協議は、相続人全員の参加によって行われなければなりません。相続人に行方不明者、未成年者、認知症の人などがいる場合は、それぞれ、不在者財産管理人、親権者または特別代理人、成年後見人が遺産分割協議に代理人として参加します。

行方不明者の場合は家庭裁判所に不在者財産管理人の申し立てをして、選任してもらいます。未成年者の場合は、法定代理人である親権者(父または母)が未成年者の代理として参加するのが原則ですが、その親権者も相続人である場合は未成年者と親権者間で利益が相反することも考えられるため、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらいます。認知症の人が相続人の場合は、成年後見人などが代理人として参加します。

遺産分割協議の進め方

相続人が複数いて、分割方法が指定されていない場合に遺産分割協議が必要となります。遺産分割協議の進め方

遺産の範囲と額を確定し分割協議に入る

相続人が確定したら、次に相続財産の範囲と評価額の確定を行います。財産の価額は、分割協議を行う時点での時価とします。各人が客観的なデータを持ち寄るなどして適正な額を決定します。

協議は相続人の全員が参加しますが、必ずしも全員が集合して行う必要はなく、電話などで連絡を取り合って進めても大丈夫です。ただし、協議の成立には全員の合意が必要です。いったん成立した協議は一方的に解除できません。遺産の分割方法にはいくつか方法があります。全員が納得できるまで話し合い、協議が成立したら遺産分割協議書を作成します。

遺産分割の4つの形態

遺産分割の4つの形態 指定分割 協議分割 調停分割 審判分割

>>第33回:【10ヵ月以内】遺産の分割方法は4種類【現物分割・代償分割・換価分割・代償分割・共有分割】

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