第54回:実家の片づけと遺品整理【形見分けはいつするのか・形見分けの仕方】

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ここが大切!

  • 家の片付けは親の価值観を尊重して。
  • 遺品は保管するもの、形見分け、処分するものに分ける。
  • 処分は専門の業者に依頼すると便利。
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親の価値観を尊重し住環境を整えていく

整理整頓好きの親であれば心配はありませんが、そうでない揚合、久しぶりに実家の中を見てみると、不要なものだらけだったり、家中が雑然としていたりということに気づくことがあります。このようなケースは、親が亡くなって家の中を片付ける必要が出てきたとき、あるいは親が入院中や施設に入る際に気づくことが多いようです。

そこで、親が残された人生を快適に過ごせるようにするためにも、家の片付けと整理をしておきたいものです。そうすれば、亡くなったあとの遺品整理で大変な思いをせずにすみます。片付けをしていく段階で、さまざまな住環境の改善点も見えてくるはずです。

片付けや整理をする際は、親の価値観を尊重することが大切です。「これはいらない」と思っても、親にとっては大切なものかもしれません。必ず親の了解を得て整理していきましょう。特に、郵便物はむやみに捨てないようにします。保険などの加入状況や交友関係がわかる郵便物があるかもしれません。

住環境については、動線がスムーズかどうか、バリアフリー化したほうがよいか、天井や床、窓などに破損箇所はないかなどをチェックします。

遺品は保管しておくもの、形見分け、処分品に分ける

親が亡くなった場合は、遺品を整理することになります。遺品の整理は、四十九日法要が終わって一段落したら取りかかりましょう。遺品は、以下の3つに分けられます。

①保管しておくもの

日記、手帳、住所録、パソコンにあるデータなどは後日必要になることもあるので、最低3年ぐらいは保存します。故人が自営業者だった場合は、仕事や税に関する書類は5年間は保管します。生命保険などの証書、年金手帳、実印などは慎重に保管しましょう。

②形見分けや寄付するもの

故人の愛用品などを近親者や故人が親しかった人に贈る形見分けは、一般的に目上の人に贈るのは失礼になるので控えます。ただし、目上の人でも先方に希望があれば贈ってもかまいません。

なお、高価すぎるもの(遺品の価値が110万円を超えるもの)は贈与税の対象になることがあります

③処分するもの

必要なものをまとめたら、残りの遺品を処分します。ひとり暮らしの人が亡くなった場合は、家全体を整理する必要があります。遺品整理の専門業者を利用すると手間がかからずにすみます。特に、遠方の実家の整理をするときは、何度も足を運ぶ手間と労力を軽減することができます。

片付け・整理する際のポイント

片付け・整理する際のポイント

遺品を整理する際のポイント

遺品を整理する際のポイント

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