第49回:【遺言の役割】自筆証書遺言を作成する【遺言の種類・書き方・ひな形・要件・無効例・封筒】

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ここが大切!

  • 自筆証書遺言は手続きの手間がかからず、自由に書ける。
  • 開封する前には家庭裁判所の検認が必要。
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自分に合った遺言は何かを考える

遺言を作成する方法は、一般的に自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。

①自筆証書遺言

遺言の全文を自筆、署名・押印します。パソコン書きは不可です。書き上げた遺言は封筒に入れて封印し、案内文を書いたうえで各自で保管するか、貸金庫、弁護士、推定相続人、遺言執行者などに預けます。

開封時には家庭裁判所の検認が必要になります。書類に不備があると無効になります。

自筆証書遺言 見本 作成例 記入例

自筆証書遺言 見本

②公正証書遺言

公証人に作成してもらう遺言で、最も信頼性があります。

自筆証書遺言は自筆するのが大原則ですから、自筆が困難な場合は公正証書遺言を作成することが望ましいでしょう。公正証書遺言は、公証役場で作成するだけでなく、公証人に自宅や病院まで出張してもらって作成することができます。なお、公証人は遺言者の署名を代筆できることが法律で認められています。

③秘密証書遺言

遺言の存在を明らかにしながらも、内容を秘密にしておきたい場合の遺言です。書面は代筆でも、パソコンを使用してもかまいませんが、署名・押印は本人のものが必要です。遺言書に押印したものと同じ印鑑で封印したものを、公証人、証人2人の前に提出して、自己の遺言書であること、および住所・氏名を述ベます。公証人がその日付および申述を封紙に記載したあと、公証人、遺言者、証人が各自署名・押印することによって作成されます。

遺言書の保管は本人でするか、貸金庫、弁護士、推定相続人、遺言執行者などに預けます。開封時には家庭裁判所の検認が必要てす。書類に不備があれば無効になります。

遺言の種類と比較

自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言
作成者本人(全文自筆)公証人本人(代筆・パソコン可)
証人不要必要必要
作成費用不要必要必要
家庭裁判所の検認不要不要必要
保管本人か誰かに依頼公証人が原本を保管本人か誰かに依頼
方式不備の危険性あるないある
偽造・変造・破棄・隠匿の危険性あるないある

自筆証書遺言の作成上のルール

自筆証書遺言のよい点は、自由に書くことができることです。まずは思いついたことを書き出してみましょう。そのうえで考えを整理し、清書します。以下に作成のルールを挙げておきます。

  • 全文を自分で書く

遺言する人がすべて自筆します。パソコン使用は不可です。縱書きでも横書きでもかまいません。筆記具は、鉛筆では容易に改ざんされる危険があるので、ボールペンや万年筆などを使用しましょう。用紙も自由です。

  • 日付、署名、押印を必ず入れる

日付は西暦でも元号でも大丈夫てすが、「吉日」「誕生日」などは無効です。押印は実印でも認印(みとめいん)でもOKですが、ゴム印、スタンブ印は不可です。

署名は原則として遺言者の戸籍上の名前を書きます。雅号(がごう)や芸名などが広く通用している場合はそれでも有効です。

  • 訂正の方法

変更したいところに二重線を引き、訂正した文字を書き入れたり、削除したりして押印します。また、書面の余白に加筆や削除の変更を記し、そのあとに自筆署名することが求められます。

  • 2枚以上になった場合

用紙が2枚以上になった場合は、各用紙の間に契印(けいいん)を押して、ホチキスで綴じます。

  • 封筒に入れ、封印する

遺言が完成したら封筒に入れ、封印します。封書の表書きには「遺言書」などと記しておきましよう。

  • 内容は家族の理解が得られるものに

自分の死後、家族間で遺産相続争いが生じないように、生前に家族で遺産相続について話し合いをしておくことが理想的です。それが無理な場合でも、遺言の内容は、特定の相続人に極端に有利、不利にならないように注意することも必要です。

  • 遺言書の保管場所

保管場所は、普段は家族の目の届かない場所で、しかも遺産整理の際には必ずチェックされるような場所を選びましよう。例えば、書斎の鍵付きの引き出しや金庫などが考えられます。また、信頼できる知人に預けたり、エンディングノートなどに保管場所を記しておくのもーつの方法です。

無効となる自筆証書遺言の例

無効となる自筆証書遺言の例

自筆証書遺言を入れる封筒

自筆証書遺言を入れる封筒

トラブルの元となる遺言の内容

トラブルの元となる遺言書

>>第50回:【遺言の役割】公正証書遺言を作成する【公証人・公正証書・公証役場・公正証書遺言の作成要件・手数料と費用・作成方法・手続き方法】

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