<<第28回:【3ヵ月以内】遺言書の有無を確認する【自筆証書遺言・家庭裁判所の検認・検認申立書・検認済証明書・公正証書遺言】
ここが大切!
- 相続人のすベては戸籍で調べる。
- 戸籍、除籍、改製原戸籍の謄本を取り寄せる。
- 見知らぬ相続人がいないか、戸籍を遡って調べてみる。
相続人の調査のための戸籍、除籍、改製原戸籍
相続人になれる人については最初に解説しましたが、相続人を確定するために欠かせないのが戸籍調査です。例えば、被相続人には認知した子どもがいるかもしれませんし、家族が知らないうちに養子縁組をしているかもしれません。こうした話は実は珍しくあリません。
そこで、少なくとも被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、除籍、改製原戸籍(かいせいげんこせき)(原戸籍)の膳本(とうほん)を取リ寄せて調ベます。これらの書類は財産の名義変更の手続きなどでも必要になリます。とはいえ、連続した戸籍をどのようにして揃えたらよいのかわからない人も多いでしよう。相続人の調査で困ったときは、税理士や弁護士なとの専門家に相談してみましよう。
ちなみに役所では、「現戸籍(げんこせき)」の読み方と区別するために、「改製原戸籍」「原戸籍」を通称「はらこせき」「かいせいはらこせき」と呼んでいる場合が多いようです。
戸籍の種類と内容
戸籍謄本 | 役所にある戸籍を、書面の形で役所に発行してもらったもの。戸籍に入っている全員の事項を写したもので、「全部事項証明」とも呼ばれる。いわゆる「現戸籍」。 夫婦と子を単位で成り立っており、夫婦のどちらかが筆頭者となる。もし子が結婚した場合には、新たに子夫婦のどちらかを筆頭者とする戸籍が作られる。 戸籍に記されている事項
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戸籍抄本 | 戸籍に書かれた1個人の事項のみを抜粋して写したもの。「個人事項証明」とも呼ばれる。 請求するときは、誰のものが欲しいかを指定して請求する。 |
改製原戸籍(原戸籍) | 戸籍法が改正されることで戸籍の様式などが変更され、その都度新しい様式の戸籍に書き替えが行われる。この書き替えを行う前の戸籍のこと。また、記載事項の変更によって新しく作られた戸籍に対して、様式や記載事項の変更前の戸籍のことも原戸籍という。改製後の戸籍には、そのときに必要な情報しか載っていない。 |
除籍謄本 | 結婚、離婚、死亡、転籍(本籍地を変更)などにより、在籍している人が誰もいない状態になった戸籍を、書面の形で役所に発行してもらったもの。 戸籍に記載されている人が死亡や婚姻などによって戸籍から抜けるとその名前に×がつけられ、抹消される。これを「除籍」という。 |
戸籍の附票 | その戸籍ができたときからの住所変更歴が記載されたもの。戸籍に記載されている人が引っ越しなどで役所に住所変更を届け出たら、戸籍の附票(ふひょう)に新しい住所が記載されていく。 |
戸籍を遡って見知らぬ相続人を探す
戸籍の取得は、本籍地のある市区町村役場で行います。役場に出向けない場合は、郵送による申請も可能です。申請できる人は、原則としてその戸籍の構成員や直系親族です。また委任状があれば代理人が行うこともできます。
戸籍には、両親や養父母の名前、生年月日、続柄(つづきがら)、出生地、婚姻・離婚歷、子の認知、養子緑組などの情報が記載されています。
例えば、離婚をして母と子どもが別の戸籍に移るなどした場合は、前の戸籍の母と子どもの欄に×印がつけられて(除籍)、父の欄には離婚についての事項が記載されます。しかし、法改正などによって戸籍の書き換えが行われると(改製原戸籍)、父の欄には離婚についての記載も子の記載もなくなリます。つまリ、新しく作られた戸籍では、父に過去に結婚歷があリ、子どもがいたことがわからないのです。戸籍を遡らないとその事実が発見されないというわけです。