第47回:相続人全員が「連帯納付義務」を負う【相続税の連帯納付義務・連帯納付責任】

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相続税の連帯納付義務

家族が亡くなって、その人から複数の人が財産を相続する場合、それぞれが相続税の申告・納税をしなければなりません。もちろん、相続税は基礎控除の額によって決まりますから、課税遺産総額が基礎控除額よりも少ない場合は相続税を払う必要はありません。

相続税を支払う必要がある場合、相続人が、それぞれの相続分に従って相続税を負担する決まりとなっています。つまり、相続額が多い人ほど相続税額も高くなります。

さらに、他の相続人が相続税の支払いを滞納している場合は、その人のぶんまで連帯納付しなければならないとされています。これが相続税の連帯納付義務です。つまり、相続税には連帯責任があるということです。例えば、母の財産を取得した兄と弟のうち、弟が相続税の納付を行っていない場合は、兄が弟の未納の相続税を納めなければなりません(延滞税も)。

しかも、この連帯納付責任は、ある日突然、連帯納付義務の通知が届くことで知らされますから、「えっ、私は納付したはずなのになぜ?」と驚くことになります。この通知には、他の相続人が滞納している旨とともに、通知の受取人が連帯納付の義務を負う旨とともに、税務署の担当者名が記されています。通知を受け取ったら、すぐに担当者に確認を取り、滞納している相続人にも連絡する必要があります。

納期限までに相続税を支払えない理由としては、相続した財産を自分の借金の返済に充てた、不動産を相続したが、その土地が値下がりをして、処分しても相続税を払えないなど、さまざまな理由が考えられます。このようなケースで再三の督促にもかかわらず期限までに納付しない場合は他の相続人が連帯納付義務を負うことになります。

一方、相続税を払える財産があるのに払わない相続人の場合は、他の相続人が連帯納付義務を負う必要はありません。

>>第48回:【遺言の役割】遺言でできること【法的効力・特別方式・普通方式・何を書く?】

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